一人暮らしに欲しい仕様・設備
多くの人々は、家賃、沿線・駅、最寄り駅からの距離などの基本条件を重視しています。その中で、住み心地が左右される設備・仕様もある。それが、部屋を借りる際の大きな決定事項になることがあります。ある不動産関係の企業は、20代、30代の一人暮らしの人々が部屋を借りる際に「絶対欲しい」&「なくてもいい」設備・仕様についてアンケート調査を実施していました。
以下は、そのアンケート結果について考察していきます。
まず、「付いていて当たり前・付いていない部屋は借りない」と思う設備・仕様を見てみると、男女ともに最も多いものが「エアコン」で78.6%を占めていました。それに次いで、「バス・トイレ別」(65.5%)、「クローゼット」(57.8%)、「2階以上」(53.9%)となっていました。この「エアコン」、「バス・トイレ別」、「クローゼット」「2階以上」は男女ともに人気が高いことが、このアンケートから明らかになりました。また、男性と女性それぞれで見た場合、「バス・トイレ別」、「クローゼット」の順位が入れ替わるものの、性別を問わずどちらも外せない仕様・設備であるといえます。
次に、部屋を借りる際に「付いていなくて後悔した」と思う設備・仕様についてみていきます。この中で、最も割合が高かったものが「追い焚き機能」で19.4%を占めていた。続いて「バス・トイレ別」が18.0%、「洗浄機能付き便座」が14.6%であった。つまり、毎日の生活に関わる水まわりの設備や仕様だけでトップ3を占めていました。こうした水まわりは、毎日の生活で不便さが気になっていきます。その結果、部屋を借りてから後悔するという人が多い事を伺うことが出来ます。しかしながら、「追い焚き機能」や「独立洗面台」は、シングル向けのワンルームや1Kではコストやスペースを節約するために削られやすい設備・仕様でもあります。それを求めて、二人暮らしやファミリー向けの部屋を借りるほど、優雅に一人暮らしをおくる人は多いとは言えません。「バス・トイレ別」は、先にも述べました「付いていて当たり前・付いていない部屋は借りない」にも上位にランクインしています。ここから、築年数が古くリニューアルされていない部屋は、除外の対象となってくるといえるようです。
最後に「家賃が高くなるなら、なくてもいい」設備・仕様についてみていきます。この中で1位は「床暖房」で67.5%を占めていました。それに続いて「IHクッキングヒーターのキッチン」(54.9%)、「管理人さんがいる」(52.9%)ということでした。こうしたプラスアルファの設備・仕様は、毎日の生活をより快適にしてくれるもといえます。しかしながら、家賃が高くなるなら無くてもいい、とあきらめる人が多い設備・仕様であることもアンケートからあきらかになりました。その中でも、先にも述べました「付いていなくて後悔した」と思う設備・仕様のアンケート結果と比較してみると、多くの設備・仕様は、上位・下位が入れ替わる傾向があります。しかしながら、「宅配ボックス」と「洗浄機能付き便座」はどちらも上位にあります。その中でも「洗浄機能付き便座」は先に述べました「付いていなくて後悔」では3位でした。それに対して、「家賃が高くなるならいらない」では4位とであり、どちらでも上位にランクインしていました。ここから、部屋を借りる際のこだわりには、人によって大きな違いが生まれる仕様・設備であるといえそうです。